SIerから社内SEに転職して、ずいぶん経つ。2016年に札幌で転職活動をしたときは、面接を50回近く受けた。最短は5分だった。
おかげで、求人票を読む目だけはそれなりに鍛えられたと思う。今回は、未経験から情シスを目指す人に向けて、入り方と求人の見方をまとめておく。
未経験の入口は、だいたいヘルプデスク
情シスは未経験でも目指せる。これは本当だ。ただ「未経験歓迎」と書いてあっても、中身は求人ごとにまるで違う。
現実的なのは、ヘルプデスクや社内のITサポートから入るルートだと思う。「パソコンが動かない」「プリンターがつながらない」「パスワードを忘れた」。この手の問い合わせを毎日さばくうちに、ネットワークやアカウントの仕組みが体で分かってくる。
情シスの仕事の半分くらいは、結局この延長にある。地味だが、遠回りではない。
ここからは、求人を選ぶときに見ておきたいことを3つ。
1.「ひとり情シス」の求人は、未経験には重い
少人数の会社で「社内のITをお任せします」という求人は、ほぼ実務経験が前提だ。未経験可と書いてあっても、入ったら相談相手がいない、ということが起こりうる。
自分も今は小さな会社で、ひとり情シスに近い。PCの手配からネットワーク、クラウドの契約まで、だいたい全部やる。経験があっても迷う場面はある。これを最初の職場でやるのは、だいぶきついと思う。
担当者が自分ひとりになりそうな求人なら、1社目としてはやめたほうがいい。
2.ヘルプデスクは「電話を取るだけ」か確かめる
ヘルプデスクにもいろいろある。受電して、内容を記録して、別の部署に回すだけの仕事もある。それだと、何年やっても設定や構築の経験がたまらない。
見るべきは、問い合わせのその先に関われるかどうか。PCのセットアップ、アカウントの発行、手順書の更新。こういう作業が業務内容に書いてあれば、次につながる。
求人票に書いていなければ、面接で聞けばいい。聞いて嫌な顔をする会社なら、それも一つの答えだ。
3.面接で「困ったとき誰に聞けますか」と聞く
教育体制があるかどうかは、求人票の「研修あり」より、面接の受け答えで分かる。
- 入社後しばらくは、誰と一緒に仕事をするのか
- 手順書や過去の記録は残っているか
- 夜間や休日の対応、当番はあるか
このあたりを具体的に聞いてみる。答えがふわっとしていたら、たぶん入ってからもふわっとしている。
ちなみに、面接で見られるのは技術の知識より「相手の話をどう聞き出すか」のほうだと思う。前職の接客や事務の経験も、ここでは立派な材料になる。
入ってからの1か月は、聞いて書く
無事に入れたら、最初の1か月は覚えることより、書き残すことを優先したい。
- 社内でよく来る問い合わせと、そのときの対応
- どのサービスに、どの管理画面から入るか
- 何を誰に聞けば分かるか
教わったことは、その日のうちに自分の言葉でメモにする。同じことを2回聞かずに済むし、そのメモがそのまま手順書の下書きになる。
情シスで頼られるのは、たいてい「前に書いておいたので」と言える人だ。手順書を残せる新人は、どこの職場でもありがたがられると思う。
資格は「話が早くなる」くらいの道具
ITパスポートや基本情報技術者は、取っておいて損はない。ただ、資格だけで採用が決まるわけではない。
効くのは、「この資格で学んだネットワークの基礎が、こういう問い合わせで役に立ちそう」と、面接で自分の言葉で説明できたときだ。並べた資格の数より、そっちのほうがずっと伝わる。
最初の会社で使い古しの低スペックPCを渡された話は、前に書いた。古いPCは我慢できる。でも、聞ける人がいない職場は、未経験だとたぶん我慢できない。
みなさんは、最初の職場を何で決めましたか?
未経験から情シスを目指すなら、給料や会社の規模より先に「教えてくれる人がいるか」を見てほしい。そこさえ外さなければ、あとはわりとどうにかなる。